日本の特別地域 特別編集42 これでいいのか 岡山県(電子版)

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あらすじ

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岡山に生まれた筆者だが、18の歳に青雲の志を持って東京に旅立ってから幾星霜(いくせいそう)。
気がついたら、東京で暮らした時間のほうが長くなってしまった。
しかし、未だに東京で暮らしていて、我慢できないことが山のようにある。

まずは食文化だ。
東京で驚いたのは、サワラやイイダコのような魚が、あまり手に入らないこと
(岡山の人ならば「地のもの」であるかどうかを気にするだろうが、東京人にその感覚は存在しないこともビックリだ)。
なにより、ラーメンの味が我慢できない。
家系が流行ったかと思いきや、豚骨ブームになり……
どこでも一定のスタンダードが決まっている岡山のラーメンのほうが奇妙なのかと思ってしまうほど。

食文化以上に相性が悪いのは、笑いのツボだ。
まず、人は自分の生まれ故郷を「落として」語り笑いモノにするのが当たり前だと思っていたのだが、
そんなことをするのは、岡山県民だけらしい。

……十数年を東京で過ごして、筆者はようやく気づいた。
全国標準からすれば「岡山のほうが奇妙」なのだと。
岡山は、その昔、大和朝廷に破れて、日本の覇権争いからは脱落したものの、どういった分野でも日本の上位に位置する県だと思っていた。
そもそも、中国地方であるという意識は希薄で、あくまで自分たちは関西文化圏。
そして、山陰、四国地方はおろか中国地方の覇者・広島県に対しても絶対的優位な地位にあるのだと。
ところが、東京で聞く岡山県の印象といえば「ああ、三十人殺しの……」とか、いわれる始末。

食べ物は豊富で、災害も少ない、新幹線はすべて停