日々ごはん(10)

購入した作品の読み方

あらすじ

10巻では「スイセイ留守番日記」が初登場します。『日々ごはん』(1)~(12)の続きは、『帰ってきた日々ごはん』として2015年発売。<ある日の日記より>そういえば昨夜、「自然」ということについて、寝る前に考えていた。私が思う自然というのは、土とか木々ももちろんそうだけど、動物、空、雨、晴れ、光、虹、風とか、気温の変化とか、空気とか。時間もそう。人間が作意を持って、脳味噌を使って作られた以外のものがぜんぶ自然、かな? 街、建物、駅、地下鉄、電車、車、アスファルトなどは逆のものだけど、実はそういうものの中にも混じって、いっしょくたにあるもの。人間が到底つかまえられないもの。身をまかせるしかない、考えても仕方のないようなもの。そういうののことを自然といって、私にとって、それはいちばんくらいに大事なことなのだ。夕方になって、空が黄色くなったかと思ったら、ぽつりぽつりと降り出した。そのうち、屋根をたたく大降りに。せいせいとした気持ちになる。