竹蓋順子 2件

続・英語教育の科学
竹蓋順子「聞く」とは、どのような行動でしょうか。言語が日本語であっても、英語であっても、聞くことは受動的な行動ではありません。また、「いつ、どこで、誰が、どのように、何をした」といった事実を部分的に聞き取れるようになることが最終目標でもないはずです。話を聞くとき、その一部分を聞き取れるようになるだけでは不十分であり、話の全体を俯瞰し、客観的かつ分析的に聞けるようになることが、聞くことの最終目標のひとつと言えます。このように能動的な活動であるリスニングの技能を、どうやったら効果的、効率的に高めることができるのか、その問いに対するひとつの答えを本書は示しています。本書は、千葉大学または文京学院大学の竹蓋幸生研究室に所属し、英語教育の際に心に留めておくべき教授理念をはじめ、教授設計や教授過程、指導原理などについて学び、教育者として、そして研究者としての道を歩み続けているものが中心となって執筆しています。「英語教育はシステムでなければならない」という信念のもと、「言語の4 技能の中でリスニングはもっとも基礎的であり、かつスピーキング、リーディング、ライティングの技能に大きく転移するもの」との認識に基づき、リスニング指導理論、「三ラウンド・システム」は開発されました。この三ラウンド・システムの構造やそれに基づいて制作された教材による学習効果について纏められた『英語教育の科学』が出版されたのは1997 年のことです。それから四半世紀経った今、竹蓋幸生先生の教え子が中心となって、その続編を出版する運びとなりました。リスニングの技能を、効果的、効率的に養成する方法を探究している指導者、そして学習者の方々に本書を通して学んでいただき、教育実践の場、あるいは学習の場で活かしていただければ幸いです。 2,200円
ラーニング・ポートフォリオ　Listen to Me! シリーズ　Introduction to College Life 用
竹蓋順子「Introduction to College Life」は、カリフォルニア大学バークレー校（University of California at Berkeley）の学生や教職員へのインタビュー動画を通して学習するCALL教材です。収録されているインタビューの動画や写真から、アメリカの活力源となっている大学教育が、どのような雰囲気の中で行われているかが、よく伝わってきます。「Introduction to College Life」はUnit 1からUnit 5まであり、すべて修了するには30～40時間を要します。「就寝前の30分」や「大学から帰宅する直前の1時間」などと学習する時間を決めると続けやすくなります。この教材での勉強を、毎日の習慣にしましょう。 Stepごとの学習目標 Listen to me! シリーズの教材は、現在、約20種類ありますが、すべて「三ラウンド・システム」（竹蓋幸生 1997）という指導理論に基づいて制作されています。最初はいくつかの単語を聞き取るのが精一杯かもしれませんが、教材の中の指示通りに進めて行けば、少しずつ理解が深まって行くように構成されています。以下に書かれた「各Stepの目標」をクリアすることを目指して学習しましょう。 Step 1 「提示されている写真・イラスト」や「聞き取れた語句」から、おおよその話題や状況をつかもう Step 2 はっきりと言葉で表現されていることを、正確に理解しよう Step 3 言葉の背後や行間のメッセージを捉えたり、話の要旨をまとめたりしよう 330円