大江健三郎 57件 人気順 新着順 大江健三郎全小説 第6巻 大江健三郎 いましめくくりの時のはじめに、八つの短篇を書いて、そこに映る自分を見る。切実な時代の影に、個の生の苦渋のあとは見まがいがたいが、ユーモアの微光もまんべんなくある。思いがけないのは、女性的なものの力の色濃さだった。遠い幼年時の自分と、それほど遠くないはずの死、また「再生」を思う自分を結んでいる。知的な経験と、森のなかの谷間の神話を、懐かしく媒介しているのも女性的なものだ(著者・『いかに木を殺すか』) 5,115円 大江健三郎全小説 第7巻 大江健三郎 日本近代の百年の心象風景を、故郷の土俗的背景と遡行する歴史的展望において捉え、戦後世代の切実な体験を文学的形象として結晶化した傑作(『万延元年のフットボール』)。「いまや『洪水』が目前にせまっているという声は、一般的となっている。その時、想像力的に同時代を生きなおす、ということは現実的にはいみがあるであろう」(著者・『洪水はわが魂に及び』) 4,400円 大江健三郎全小説 第8巻 大江健三郎 「古代から現代にいたる神話と歴史を、ひとつの夢の環にとじこめるように描く。場所は大きい森のなかの村だが、そこは国家でもあり、それを超えて小宇宙でもある。創造者であり破壊者である巨人が、あらゆる局面に立ちあっている。語り手がそれを妹に書く手紙の、語りの情熱のみをリアリティーの保障とする。僕はそういう方法的な意図からはじめたが、しかしもっと懐かしい小説になったと思う(著者・『同時代ゲーム』) 5,115円 大江健三郎全小説 第9巻 大江健三郎 危機にある男を励ます女―『「雨の木(レイン・ツリー)を聴く女たち』。大きな悲哀を負った女性の再生―『人生の親戚』。障害を持った兄との生活を通して家族・社会・時代、人間の未来を考える妹―『静かな生活』。美しい国際派女優をめぐる過去の事件と新たなもくろみ―『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』。女性的なるものの力に宿る希望と再生を主題にした4つの傑作長編小説。 5,115円 大江健三郎全小説 第10巻 大江健三郎 人類は荒廃した地球から百万人を新しい惑星に送り出したが、10年後その大船団が戻ってくるという(『治療塔』。宇宙移民に失敗した朔ちゃんと残留者リッチャンに驚くべき知性を示す子供が生まれるが、地球の荒廃がさらに進んだため、謎の治癒力を持つとされる「治療塔」探索のため再び宇宙に旅立つ(『治療塔惑星』)。さらに著者初のファンタジー・ノベル『二百年の子供』を収録。時空を超えたSF的空想力! 5,115円 大江健三郎全小説 第11巻 大江健三郎 「自分のなかに『祈り』と呼ぶほかないものが動くのを感じてきた。生涯ただ一度書きえる、それを語りかける手紙。その下書きのように、この小説を書いた。故郷の森に住んで、都会の「僕」の師匠(パトロン)でありつづける友。かれは事故のようにおそう生の悲惨を引き受けて、荒あらしい死を遂げる。かれは新生のため、また自分のもう一つの生のために、大きい懐かしさの場所をつくらねばならない(著者・『懐かしい年への手紙』) 5,115円 大江健三郎全小説 第12巻 大江健三郎 お祖母ちゃん(オーバー)の魂を受け継ぎ「救い主」となったギー兄さんは当初人々から偽物と見なされる。次第に賛同者をふやし、現代人の魂の救済を模索してゆく模様を、独特の性遍歴を経たサッチャンが記録してゆく。教会分裂の危機の中で襲撃され障害者となるギー兄さん。最後の決断と死、未来への大いなる励ましとは何か? 5,115円 大江健三郎全小説 第13巻 大江健三郎 いったんは「神」と信者をコケにした棄教者のリーダーが戻ってきた。脇腹に「聖痕」を刻んで……。 いったい教会は再建されうるのか? そして神なしの祈りはありえるのか? 「世紀末の闇の深さ、希求する若い魂の激しさ。それをリアルに、明快に書くことをねがった。ひとり少年時に聞いた『神』の声を追いもとめる若者も、死の前に生きなおすことを企てる初老の男も、自分だと思う」(著者)。 5,115円 大江健三郎全小説 第14巻 大江健三郎 個性の塊のような親友に導かれての『日常生活の冒険』。自らの意志でむこう側へ行ってしまった友―義兄の映画監督との関係を描き、著者に「私の一生の中で、最も大切な三作のひとつであると思います」と言わしめた『取り替え子(チェンジリング)』。滑稽かつ悲惨な老年の冒険をつうじて、死んだ母親と去った友人の「真実」を探す『憂い顔の童子』。魂に真の和解はあるのか? 5,115円 大江健三郎全小説 第15巻 大江健三郎 「おそらく最後の小説を、私は円熟した老作家としてではなく、フクシマと原発事故のカタストロフィーに追い詰められる思いで書き続けた。しかし70歳で書いた若い人たちに希望を語る詩を新しく引用してしめくくったとも、死んだ友人たちに伝えたい」(著者・『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』)。国家の巨大暴力に対抗するため、個の単位の暴力装置を作る老人を描く『さようなら、私の本よ!』 5,115円 大江健三郎全小説 第1巻 大江健三郎 1958年、大学在学中の当時史上最年少23歳で芥川賞を受賞した「飼育」をはじめ、「奇妙な仕事」「死者の奢り」「他人の足」などデビュー前後の鮮烈な初期短篇の数々を収録、ほかに最初期長編として名高い『芽むしり仔撃ち』、『われらの時代』を含む。小説家としての第一歩をしるす記念碑的な作品群。大江文学はここから始まった! 5,115円 沖縄ノート 大江健三郎 米軍の核兵器をふくむ前進基地として、朝鮮戦争からベトナム戦争にいたる持続した戦争の現場に、日本および日本人から放置されつづけてきた沖縄。そこで人びとが進めてきた苦渋にみちたたたかい。沖縄をくり返し訪れることによって、著者は、本土とは何か、日本人とは何かを見つめ、われわれにとっての戦後民主主義を根本的に問いなおす。 902円 ヒロシマ・ノート 大江健三郎 広島の悲劇は過去のものではない。一九六三年夏、現地を訪れた著者の見たものは、十数年後のある日突如として死の宣告をうける被爆者たちの“悲惨と威厳”に満ちた姿であり医師たちの献身であった。著者と広島とのかかわりは深まり、その報告は人々の胸を打つ。平和の思想の人間的基盤を明らかにし、現代という時代に対決する告発の書。 946円 定義集 大江健三郎 源氏物語、ドストエフスキー、レヴィ=ストロース、井上ひさし。人生のさまざまな場面で出合った忘れがたい言葉を書き写し、読み直し、自前の定義をする。ノーベル賞作家による評論的エッセイの到達点。【巻末エッセイ・落合恵子】 720円 燃えあがる緑の木 全三部合本版(新潮文庫) 大江健三郎 百年近く生きたお祖母ちゃん(オーバー)の死とともに、その魂を受け継ぎ、「救い主」とみなされた新しいギー兄さんは、森に残る伝承の世界を次々と蘇らせた。だが彼の癒しの業は村人達から偽物と糾弾される。女性へと「転換」した両性具有の私は彼を支え、その一部始終を書き綴っていく……。常に現代文学の最前線を拓く作者が、故郷四国の村を舞台に魂救済の根本問題を描き尽くした長編。 ※当電子版は新潮文庫版『燃えあがる緑の木』第一部~第三部の全三巻をまとめた合本版です。 2,145円 個人的な体験(新潮文庫) 大江健三郎 わが子が頭部に異常をそなえて生れてきたと知らされて、アフリカへの冒険旅行を夢みていた鳥(バード)は、深甚な恐怖感に囚われた。嬰児の死を願って火見子と性の逸楽に耽ける背徳と絶望の日々……。狂気の淵に瀕した現代人に、再生の希望はあるのか? 暗澹たる地獄廻りの果てに自らの運命を引き受けるに至った青年の魂の遍歴を描破して、大江文学の新展開を告知した記念碑的な書下ろし長編。 605円 死者の奢り・飼育(新潮文庫) 大江健三郎 死体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情「死者の奢り」、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた「人間の羊」など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。 605円 空の怪物アグイー(新潮文庫) 大江健三郎 60年安保以後、その大きな影響下に書かれた“現代の恐怖”にかかわる一連の作品を収める。「個人的な体験」と同一の設定のもとにそれとは全く逆の結末を導き出し、共通のテーマをめぐる著者の文学的格闘をうかがわせる『空の怪物アグイー』ほか、「万延元年のフットボール」につながる『ブラジル風のポルトガル語』、核時代の苦いユーモア『アトミック・エイジの守護神』など7編。 572円 同時代ゲーム(新潮文庫) 大江健三郎 海に向って追放された武士の集団が、川を遡って、四国の山奥に《村=国=家=小宇宙》を創建し、長い〈自由時代〉のあと、大日本帝国と全面戦争に突入した!? 壊す人、アポ爺、ペリ爺、オシコメ、シリメ、「木から降りん人」等々、奇体な人物を操り出しながら、父=神主の息子〈僕〉が双生児の妹に向けて語る、一族の神話と歴史。得意な作家的想像力が構築した、現代文学の収穫1000枚。 924円 ピンチランナー調書(新潮文庫) 大江健三郎 地球の危機を救うべく「宇宙?」から派遣されたピンチランナー二人組! 「ブリキマン」の核ジャックによる民衆の核武装?……。内ゲバ殺人から右翼大物パトロンの暗躍までを、何もかもを笑いのめし、価値を転倒させる道化の手法を用いて描き、読者に再生への希望と大笑いをもたらす。死を押しつけてくる巨大なものに立向い、核時代の《終末》を拒絶する諷刺と哄笑の痛快純文学長編である。※あとがきのカットは当電子版では掲載しておりません。ご了承ください。 825円 123 TOP 電子書籍(本・小説) 大江健三郎 2ページ目