呂彪弥欷助 2件 人気順 新着順 君に言いたいこと 呂彪弥欷助 幸か不幸か──運命の日はやってきた。能天気な母さんとおばさんは、『子守』を命じてきた。おいおい、ドッキリでもいいから、嘘だと言ってくれ。俺の思いとは裏腹に、母さんにふざけている様子はない。いとことはいえ、この年の男が年ごろの女子と二人きりになるのはおかしいだろう。「とっくに中学生になった彼女に対して『子守』は不要だろう」正直、彼女と二人きりで自宅にいるのを想像して、欲望を止める自信がない。 330円 姉の声 呂彪弥欷助 私はここが嫌いだ。ここには、姉がいる。姉に会ったことはない。あたりまえだ。そもそも、私に姉はいない。しかし、この家に来ると、いつも感じる。姉は、私がこの家に来るのをじっと待っていたと。「みなと~。やっと二人で、遊べるね~」私に残された逃げ道は、ひとつしかない。避けてきた廊下の奥だ。姉は、すぐそこまで来ている。逃げなくては。──姉に捕まる前に!私は身をひるがえし、走りだす。決して行きたくなかった、闇の奥へと。 330円 1 TOP 電子書籍(本・小説) 呂彪弥欷助