なぜあのキャラは死ななければならなかったのか? 名作の「死」の描写で辿るマンガ・アニメ史
浦澄彬
■フィクションの「死」を通して「社会」を探求する。
―シャーロック・ホームズは、熱烈なファンの声により生き返った(死んでいなかったことになった)。
―力石徹(『あしたのジョー』)の死を悼んだファンの力により現実に葬儀が行われた。
―ラオウ(『北斗の拳』)が自死する際のセリフ、「我が生涯に一片の悔いなし!!」は、
死に様の言葉としてネタに使われるほど、広く知られている。
■このように、実在の人物の生死が社会的に意味を持つのと同じように、
物語のキャラクターの死を悲しんだり、その死の意味を考えて論じたりするのはなぜだろうか?
キャラクターの死は、現実に生きている私たちにとって、大切な何かの代理だと言えるかもしれない。
アニメやマンガのキャラクターの死を取り上げて意味を探り、
架空の人物の生死が私たちの心をなぜ揺り動かすのか、本書で掘り下げて考えていく。-まえがきより
■【本書で考察した作品の一部例】(アニメ放送開始年順)
あしたのジョー/ルパン三世/海のトリトン/科学忍者隊ガッチャマン/
宇宙戦艦ヤマト/フランダースの犬/さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち/
機動戦士ガンダム/北斗の拳/タッチ/美少女戦士セーラームーン/新世紀エヴァンゲリオン/
GANTZ/涼宮ハルヒの憂鬱/時をかける少女/らき☆すた/けいおん!/
魔法少女まどか☆マギカ/STEINS;GATE/ソードアート・オンライン/氷菓/
進撃の巨人/響け! ユーフォニアム/鬼滅の刃/機動戦士ガンダム 水星の魔女/
チェンソーマン/グリッドマン ユニバース and more…
【本書の目次】
●まえがき
◇第1章 二〇世紀の名作アニメに描かれたキャラクターの死
1『フランダースの犬』『ルパン三世』ほか
2『海のトリトン』『宇宙戦艦ヤマト』
3『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』ほか
◇第2章 死を描かない京アニ作品から死を辿る
1死を描かない京アニ大ヒット作品と
2 平成中期の京アニ作品と
3『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『けいおん!』ほか
4『氷菓』『Another』ほか
◇第3章 社会現象としてのキャラクターの生き様と死に様
1『あしたのジョー』
2『宇宙戦艦ヤマト』
3『タッチ』
4『北斗の拳』
5『機動戦士Ⅴガンダム』
6『新世紀エヴァンゲリオン』
◇第4章 死んでも蘇るキャラクターから見る平成アニメの死生観
1『ロードス島戦記』『スレイヤーズ』ほか
2『美少女戦士セーラームーン』ほか
3『GANTZ』『魔法少女まどか☆マギカ』ほか
4『コードギアス反逆のルルーシュ』『革命機ヴァルヴレイヴ』ほか
5『グリッドマン ユニバース』
◇第5章 平成・令和のキャラクターに学ぶこれからの生き方
1『響け! ユーフォニアム』ほか
2「異世界転生」関連作品ほか
3『進撃の巨人』『鬼滅の刃』『君の名は。』ほか
4『ソードアート・オンライン』『チェンソーマン』ほか
●あとがき 1,210円