精子が、ない?! 私たちは親族からの精子提供を望んだ
無精子症患者会「襷(たすき)」(編)/諏訪リプロダクションセンター(編)
「俺も無精子症だよ」と言ってくれる人が誰か一人いたら、どんなに救われたかしれない
不妊症に悩むカップルは4組に1組と言われ、しかもその半数は男性側に不妊の原因がある「男性不妊症」です。
産婦人科や泌尿器科を訪れる男性不妊症患者のおよそ10人に1人が「無精子症」と診断されています。そして「無精子症」の8割が治療困難な「非閉塞性無精子症」です。
諏訪マタニティークリニックでは、AIDに代わる治療法として、患者の兄弟や父親から精子の提供を受けた体外受精を行ってきました。1996年の弟からの提供事例を最初に、2023年までに261組の家族がこの治療に臨み379名の子を授かっています。
【目次】
第1章 ある家族のはなし
第2章 特殊生殖医療に賭ける
第1節 諏訪マタニティークリニックにたどり着くまで
第2節 面談の意味
第3節 提供者としての父や兄弟
第4節 子どもの誕生
第3章 家族とは、夫婦とは
第1節 養子を迎える(特別養子縁組)
第2節 夫婦で生きる
真に寄り添えるのは、当事者同士~患者会「襷」の活動軌跡~
[解説]提供配偶子(卵子・精子)を用いた生殖医療をめぐる70年の歴史
【著者】
無精子症患者会「襷(たすき)」
仲間から仲間へ思いを繋いでいく駅伝の「タスキ」をイメージし、2017年に結成、現在メンバーは35名を数える。(1)メンバー同士の交流会や真実告知などの勉強会の開催、(2)治療を終えたメンバーがこれから治療に臨む患者の相談にあたるピアサポート、(3)無精子症に対する社会の理解を促すための啓発活動、などを主な活動とする。
諏訪リプロダクションセンター
諏訪マタニティークリニックに併設された不妊症治療部門。開設は1996年。 1,540円