よくよく考え抜いたら、世界はきらめいていた 哲学、挫折博士を救う
関野 哲也
自己啓発で物足りないときに。フランスで博士号を取得しながら、躁うつを発症し、ドライバー、工場、福祉の現場と職を転々。一時は死にたいとまで思いつめた絶望の日々から救ってくれたのは「哲学/自分で考える術」だった。考え抜いた末に見えた世界は不思議で美しかった。哲学すること、考え抜くことに、目の前の悩みをすぐ解決するような「実用的」な〈メリット〉はないかもしれない。しかし、人生や世界の豊かさを気づかせてくれる「実存的」な〈メリット〉はある。そして「考えること」は誰でもでき、誰にでも等しく開かれている。「自分で考える術」の身につけかたを、自らの体験や、ウィトゲンシュタイン、ヴェイユ、池田晶子といった哲学者の思考をなぞりながら解説する。私とは何か? 働くとは? 病むとは? 生きるとは? 身近にある素朴な疑問をよくよく考え、善く生きるために。哲学用語をなるべく使わず、平明な言葉で綴る実践的哲学よみもの。 1,870円