西村賢太 19件 人気順 新着順 夢魔去りぬ 西村賢太 三十余年ぶりに生育の町を訪れた“私”が、その地で見たものは、一瞬の夢幻だったのか――。昏い過去との再会と訣別を、格調高い筆致で描く鮮烈なる表題作ほか、北町貫多の同居女性に対する改悛の情とその後を語る「畜生の反省」など、無頼の私小説作家の名調子が冴える、六篇の短編集。(『痴者の食卓を改題』)私小説作家の新境地。苛烈なる“生”の小説集。 660円 人もいない春 西村賢太 小さいころから執念深く、生来の根がまるで歪み根性にできている北町貫多。中卒で家を飛びだして以来、流転の日々を送る貫多は、長い年月を経てても人とうまく付き合うことができない。アルバイト先の上司やそこで出会った大学生、一方的に見初めたウエイトレス、そして唯一同棲をした秋恵……。一時の交情を覆し、自ら関係破壊を繰り返す貫多の孤独。芥川賞受賞作『苦役列車』へと連なる破滅型私小説集、待望の文庫化。 462円 東京者がたり 西村賢太 「東京はいかに私小説作家を形作ったのか」。デビュー作『どうで死ぬ身の一踊り』から、芥川賞受賞作『苦役列車』など、さまざまな作品群の中に描かれてきた東京。東京江戸川区に生まれ、一五歳から東京を流浪したその生き様とともに、土地の思い出と出来事、そして現在への系譜を語る、創作の根源に迫る随筆集。巻末には、新宿生まれの新宿育ちの芸人・玉袋筋太郎氏との特別対談も収録。 1,672円 雨滴は続く 西村賢太 芥川賞受賞“前夜”の知られざる姿を描いた遺作 連載中に著者が急逝、刊行時に話題を集めた遺作が、三回忌を前に早くも文庫で登場。 2004年の暮れ、北町貫多は、甚だ得意であった。同人雑誌に発表した小説「けがれなき酒のへど」が〈同人雑誌優秀作〉に選出され、純文学雑誌「文豪界」に転載されたのだ。次いで、「群青」誌の編集者から、貫多は小説を依頼される。純文学雑誌に小説を発表することは、私淑してきた不遇の私小説作家・藤澤清造の“歿後弟子”たる資格を得るために必要なことであった。しかし、年が明けても小説に手を付ける気にはなれなかった。恋人を得たいとの欲求が、それどころではない気持ちにさせるのだ。貫多は派遣型風俗で出会った川本那緒子の連絡先を首尾よく入手し、デートにこぎつける。 有頂天の貫多は子持ちの川本と所帯を持つ妄想をする。ところが貫多は、取材に来た若い新聞記者・葛山久子に一目ぼれをしてしまう。小説家志望の葛山に貫多は自作掲載誌を送るが、その返信はそっけないものだった。手の届く川本と脈のなさそうな葛山、両者への恋情を行きつ戻りつしながらも貫多は「群青」に短篇、匿名コラム、書評を発表していく。そして渾身の中篇「どうで死ぬ身の一踊り」が掲載されたが、その反響は全く感じられなかった。同じころ、葛山からは返信が途絶え、川本にはメールが通じなくなり、前途に俄かに暗雲が立ち込めるのだった。 完成直前で未完となった、著者、最後、最長にして最高の長篇1000枚。巻末にヒロイン”葛山久子”による特別原稿を収録。 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 1,100円 苦役列車(新潮文庫) 西村賢太 劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。(解説・石原慎太郎) 539円 蝙蝠か燕か 西村賢太 2022年2月5日に急逝した著者の、読者からの熱烈な要望によって実現した未刊行小説集。 完結した小説としては著者最後の作品となった表題作をはじめ、著者の本領たる藤澤清造“歿後弟子”としての覚悟を扱った3篇を収録。 北町貫多30歳、地元に残された藤澤清造資料の調査に本腰を入れるため、東京の自室とは別に七尾に部屋を借りる(「廻雪出航」)。貫多31歳、七尾の部屋に清造の書簡を飾るため額装を依頼したが、思ってもいない仕上がりになる(「黄ばんだ手蹟」)。死の前年、53歳の貫多の姿を描く。ここ数年の自身を振り返り、“歿後弟子”の責を全うすべく新たなスタートを誓う(「蝙蝠か燕か」)。 1,599円 やまいだれの歌(新潮文庫) 西村賢太 中学を出て、その日暮らしを三年半。十代も終わりに近づいてきた北町貫多は、心機一転、再出発を期し、横浜桜木町に移り住み、これまでの日雇いとは異なる造園会社での仕事をはじめた。三週目に入って、事務のアルバイトとして貫多と同い年の女の子がやってきた。寝酒と読書と自慰の他に特に楽しみのなかった貫多に心を震わせる存在が現れたのだった。著者初の幻の傑作長編、ついに文庫化。(解説・山下敦弘) 693円 一私小説書きの日乗 堅忍の章 西村賢太 平成から令和、そしてコロナ禍─年号が変わりコロナが蔓延、編集者との宴も球場観戦もかなわず、たまるストレスを師・藤澤清造の更なる追慕作業で晴らす。現代に暮らす“文豪"の日々をつづる「日乗シリーズ」第七弾! 1,650円 一私小説書きの日乗 新起の章 西村賢太 異端な作家の無頼な日常。昼に起き、サウナで身を清め、新作の執筆にいそしむ。行きつけの酒場で酒を呑み、編集者と打ち合わせ、宝焼酎で晩酌をする。編集者との衝突・軋轢、友とのいさかい。時に怒り、時に後悔する。 1,650円 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影 西村賢太 ここ数年、惑いに流されている北町貫多。あるミュージシャンに招かれたライブに昂揚し、上気したまま会場を出た彼に、東京タワーの灯が凶暴な輝きを放つ。その場所は、師・藤澤清造の終焉地でもあった――。何の為に私小説を書くのか。静かなる鬼気を孕む、至誠あふれる作品集。「芝公園六角堂跡」とその続篇である「終われなかった夜の彼方で」「深更の巡礼」「十二月に泣く」の四篇を収録し、巻末に、新たに「別格の記――『芝公園六角堂跡』文庫化に際して」(18枚)を付す。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 709円 形影相弔・歪んだ忌日(新潮文庫) 西村賢太 僅かに虚名が上がり、アブク銭は得たものの内実が伴わぬ北町貫多は虚無の中にいた。折から、藤澤清造の自筆原稿が古書の大市で出品された。百四十一枚の入札額を思案するうち、ある実感が天啓の如く湧き起こる(「形影相弔」)。二十数年振りに届いた母親からの手紙に、貫多の想念は激しく乱されるが……(「感傷凌轢」)。孤独な魂の咆哮を映し出す、私小説の傑作六編。『歪んだ忌日』改題。 473円 無銭横町 西村賢太 私小説への殉情、無頼派の矜持。 横浜での生活立て直しに失敗した北町貫多は再び都内に戻っていた。 そして二十歳になった彼は、その日も野良犬のように金策に奔走するが……(「無銭横町」)。 筆色冴えわたる六篇に、芥川賞選考会を前に藤澤清造の墓前にぬかずく名品「一日」を新併録。 解説・伊藤雄和(「オールディックフォギー」) 652円 蠕動で渉れ、汚泥の川を 西村賢太 “湊かなえ氏激賞!! 「17歳の失敗は、人生の失敗じゃないのだ」と貫多は私に教えてくれた──湊かなえ”。貫多、セヴンティーン! 人生はまだ、始まったばかり。初めての洋食屋でのアルバイトと、波瀾万丈の日々。家を追われ、猛女に怒鳴られ、途方に暮れる。待望の最新長篇<私小説>! 「確かに自分は<青春の落伍者>にはなりつつあるが、しかしながら、まだ<人生の落伍者>には至っていないのだ」。白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も……。労働、肉欲、そして文学への思い。善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため”の行状記! 1,584円 下手(したて)に居丈高 西村賢太 世の不徳義を斬り、返す刀でみずからの恥部をえぐる。この静かで激しい無頼の流儀──。煙草(たばこ)とアルコールをかたわらに、時代遅れな“私小説”の道を突き進む孤独な日々は、ひとつの意志と覚悟に満ちている。したてに「落伍者」を自認する、当代きっての無頼派作家は現世の隙間になにを眺め、感じ、書いているのか。軽妙な語り口でつづられる「週刊アサヒ芸能」連載の傑作エッセイ集。 825円 棺に跨がる 西村賢太 カツカレーの食べかたを巡って諍いとなり、同棲相手の秋恵を負傷させた貫多。秋恵に去られる事態を怖れた彼は、関係の修復を図るべく、日々姑息な小細工を弄するのだが――。「どうで死ぬ身の一踊り」の結末から始める特異な手法で、二人の惨めな最終破局までを描いた連作私小説集。〈秋恵もの〉完結篇。 鴻巣友季子さんによる解説「虫歯を噛みしめるような快感――西村賢太の私小説を読む」も収録。 611円 小銭をかぞえる 西村賢太 女にもてない「私」がようやく女とめぐりあい、相思相愛になった。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は甘いどころか、どんどん緊張をはらんだものになっていく。金策に駆け回り、疎遠な友をたずね、断られれば激昂し…金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、ぬいぐるみを溺愛する女との関係を描く「焼却炉行き赤ん坊」を併録。爆笑を誘うほどに悲惨な、二つのよるべない魂の彷徨。新しい私小説がここから始まる。 519円 痴者の食卓 西村賢太 なぜ、カッとなると後先のことを考えず、女であろうが容赦せず、思うさまに怒りを爆発させてしまうのか──。同棲する恋人への暴言、暴行、燃えたぎる憤怒が鎮火した後の激しい後悔と罪悪感をも描く五篇。二度は戻れなかった生育地への、長年心の奥底に引っかかっていた残影を描く一篇。平成の無頼派真骨頂の最新私小説集。 1,144円 寒灯 西村賢太 「ぼく、おまえをずっと大切にするから、今後ともひとつよろしく頼むよ」ようやく手に入れることが叶った恋人との同棲生活。仲睦まじく二人で迎える初めての正月に、貫多の期待は高まるが、些細な事柄に癇の虫を刺激され、ついには暴言を吐いてしまう。あやうく垂れ込める暗雲の行方は――。待望の〈秋恵〉シリーズ最新作。 1,144円 小説にすがりつきたい夜もある 西村賢太 四面楚歌の状況下、すがりついた一冊の本─。爾来、藤澤清造の歿後弟子としての運命が拓ける。 葛西善蔵論として卓越な「凶暴な自虐を支える狂い酒」、独得な筆致によるヰタ・セクスアリスの色慾譚」など、無頼、型破りな私小説作家の知られざる文学的情熱が満載された、芥川賞受賞前後のエッセイ集。【本書は、『随筆集 一日』を再編集、改題したものです】 693円 1 TOP 電子書籍(本・小説) 西村賢太