中西満貴典 1件 人気順 新着順 レトリックと哲学 中西満貴典 レトリック(修辞学)研究においては、 言語の本質を、対義的概念とみなし、 その構造が出来事の矛盾の構造と 相応関係にあることを洞察しようとしている。 ケネス・バーク研究から始まり、伝達媒体の相異と、 表現のしかたや発想様式のちがいとの連関性に、 研究の焦点は移っているが、 本書でも、〈文字/声〉の対比において、 それぞれのモード(表現形式や思考様式)の特性を 浮びあがらせることに専心する。 そして、これを契機に、目的物の探究のための資源が ジャンル横断的にひそんでいることに気がつくことになる。 〈文字/声〉の分節によって、さまざまな分野の問題 ――文学批評、思想史、科学哲学等――を切りとることが できるのではないか。 伝達媒体のちがい――〈文字/声〉あるいは、 それに対応する身体感覚のちがい(視覚/聴覚)――が、 各時代の表現形式やそれにともなう思考の様式と なんらかの関係があるのではないか、という直観。 それは、時間的スケールをひろげ、 ルネサンス期までの自然哲学と、 いわゆる近代科学のそれぞれの「知」の在りかたそのものを、 考えることを促すのである。 本書は、フーコー再読から、やがて 〈文字/声〉の区分が、 「近代的知/ルネサンスの知」という分節と、 パラレルな関係にあることが主題となっていき、 とりわけ、研究方法としては、本書構成上、 異なる対立軸の中間に、ジャンルをまたぐ論考を配置することで、 主題を複合的重層的に考察していくことを試みて行くものと なっている。 4,180円 1 TOP 電子書籍(本・小説) 中西満貴典