サッカー指導者は伝え方で決まる 机上は緻密に、現場は柔軟に
著者:岩瀬健/清水英斗
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選手の約7割は指導者の理論を欲していない。では、どう伝える?
プロサッカー指導者の岩瀬健はトップチームからスクールまで様々なカテゴリーのサッカー選手を指導してきた。サッカー指導者は、ピッチ外における「指導者の理論(ロジック)」とピッチ内における「選手の感覚(フィーリング)」に隔たりがあることを自覚しなければならない、と彼は言う。つまり、机上では緻密な理論を持つことは当然として、現場ではその理論を柔軟に伝えなければ選手は躍動してくれない――。トップチーム監督デビューとなった大宮アルディージャでの経験も踏まえながら、試合、戦術、分析、練習、育成、選手など、シチュエーションごとの最良の伝え方をサッカーライターの清水英斗とともに考察していく。
【構成】
序章 「伝える」とは何か?
お互いが次に進むために/監督のキャリアに関わるターニングポイント/指導者としていかに「伝える」か
1章 ロジックは緻密に、伝え方はポップに
ロジックでは選手に伝わらない/伝えるのは指導者だが伝わる方法は相手によって決まる/ロジックを好む選手との接し方/コーチは選択肢を増やし、監督は決断をする/ズバッと変えられる勇気はあるか?/監督が仲介人を付けるケースが増えている
2章 サッカーの戦術とは何か?
戦術が「窮屈ではない」若い選手が増えつつある/攻撃における3つのキーワード/「スペース」は必ずある、「良いタイミング」は相当な幅がある
3章 ゲーム分析と伝え方
練習設計は敵陣、自陣に分けて考えると落とし込みやすい/相手を分析する上で攻守において目を留めるポイント/試合の「結果」を受けて伝える時に必ず注意すべきこと
4章 練習設計の考え方
指導者は練習のメリットとデメリットを把握したい/前の試合の修正課題を指摘する際に留意すべきこと/次の試合の想定・準備には「余白」を残しておくべき?/「プレービジョンの浸透・増幅」を意識し、無機質な練習になるのを避ける/選手と信頼関係があればどんな練習でもあり
5章 育成に携わる者として
これから「変わるもの」「変わらないもの」を想像する/サッカーは3つの要素を奪い合うスポーツ/選手にとって小学6年生という1年間は一生に一度しかない/指導者が「やりたいこと」と「できること」に差が生まれるワケ/依存より自立すること、大人になってから伝わること/「生」で衝撃を受けることが指導の熱量につながる
6章 個人、グループ、チームの関係性
チームと個人の成長のバランスをどう考えるか/指導のメソッドがあるメリットとデメリット
対談
指導者の「伝え方」を考察する
岩瀬健(大分トリニータヘッドコーチ)×戸田和幸(元日本代表・解説者・指導者)
おわりに 1,683円