イノベーションを生み出すチームの作り方 成功するリーダーが「コンパッション」を取り入れる理由
伊達洋駆
生産性の高いチームは何が違うのか?
失敗を受け止め、困難な状況を乗り越えるチームで共有されていることとは――
「コンパッションがイノベーションを実現する」- この一見、不思議な組み合わせに、驚いた人も多いのではないでしょうか。
「イノベーションに思いやりなんて必要ない。重要なのは強さだ」と考える人もいるかもしれません。確かに、イノベーションを成功させるには、困難に立ち向かう不屈の精神が必要です。
とはいえ、その強さはどこから湧いてくるのでしょうか。コンパッションは、強さを生み出す源泉となります。
本書では、コンパッションの三つの要素(セルフ・カインドネス、コモン・ヒューマニティ、マインドフルネス)がどのようにイノベーションプロセスを支えるかを説明しました。
興味深いことに、コンパッションは実践次第で高められます。本書では、「二つの椅子」を使った対話法や、優しい友人からの声がけを想像する方法などを紹介しました。
ここで強調したいのは、コンパッションを高める方法を、ぜひ試していただきたいということです。本を読んで知識を得るだけでなく、行動に移してみてください。
コンパッションだけでイノベーションが実現できるわけではありませんが、従来のイノベーションの考え方にこの人間的な要素を加えることで、より前に進みやすくなるのではないでしょうか。
アイデアを思いついた時、それを実現しようとして壁にぶつかった時、逆境や困難に遭遇した時。そんな時に、本書を思い出し、自分自身や周囲の人々に対する思いやりの心を持つことで、次の一歩を踏み出す進むきっかけになれば嬉しく思います。(本書「おわりに」より)
目次
第1章:イノベーションを生み出す難しさ
第2章:セルフ・コンパッションがイノベーションに効く
第3章:コンパッションはイノベーションにどう効果的なのか
第4章:コンパッションを高める具体的な方法 2,200円