加賀乙彦 32件 人気順 新着順 永遠の都3―小暗い森―(新潮文庫) 加賀乙彦 初江の子供たちは、三田綱町にある祖父時田利平の病院で生まれた。長男の悠太は天体観測や読書や模型飛行機に夢中、彼の周りには祖父をはじめ刺激的な大人がいる。悠太は妹のヴァイオリンの稽古が縁で、初恋の千束と再会。昭和16年、国民学校六年生の悠太は学友の死にも遇い、ある夜の出来事から虚ろになった母が気になる。 748円 永遠の都4―涙の谷―(新潮文庫) 加賀乙彦 利平の次女夏江は、傷病兵菊池透と再会し洗礼を受け、昭和15年5月に透と再婚、秋に長男の史郎も結婚した。世間は紀元二千六百年の祝賀に酔っていた。女中に手をつけた初江の夫は眼底出血の再発で入院し、利平の後妻いとは不義を重ねていた。昭和16年12月、日本は太平洋戦争に突入した。帝大仏文科を卒業した晋助は翌17年に入隊し、初江は恋文事件で白をきり晋助との愛を貫く…。 748円 永遠の都5―迷宮―(新潮文庫) 加賀乙彦 三田綱町の二千五百坪の敷地に建つ時田病院は、利平の趣味の増築のために、いまや異様なまでに複雑な建物となり外見は軍艦のようで内部は迷宮と化していた。昭和19年春、悠太は名古屋の陸軍幼年学校に合格。利平は後妻の不義に心を痛めモルヒネを打つ毎日だが、12月から2ヵ月、松沢病院に入院して激烈な禁断症状を治した。昭和19年11月末から東京は度重なる空襲に脅かされていた。 902円 永遠の都6―炎都―(新潮文庫) 加賀乙彦 3月、初江は小学六年の研三を迎えに疎開先の草津へ行き、10日上野に着くや大空襲に巻き込まれ焦熱地獄の中から救出された。5月24日、時田病院直撃炎上、五郎に助け出された利平は全身火傷を負い盲となり、妻は密会中に死亡。8月15日敗戦、戦争は終った。28日悠太復員。10月10日スパイ容疑で拘禁されていた夏江の夫透も釈放…。 902円 永遠の都7―異郷・雨の冥府―(新潮文庫) 加賀乙彦 終戦の晩秋、悠太の母初江とふたりの弟が疎開先の金沢から、延焼せずに残ったわが家に帰ってきた。悠太は都立高校に進級、弟たちも六中に編入、彼らの新しい生活が始まった。昭和21年9月夏江の出産、翌22年5月晋助狂死、翌月利平病死、五郎は夏江に手紙を残し自殺。初江は娘の央子のパリ留学に晋助の夢を託した。 803円 雲の都―第二部 時計台― 加賀乙彦 主人公の悠太は、若き精神科医。拘置所で死刑囚に接して悩みを聞く一方で、遠縁にあたる造船会社社長夫人桜子と密会を重ねる。彼はまた、森鴎外、チェーホフなど医師で小説家の作品を愛読し、自らも同じ道を志していた。戦後まもない東京を舞台に、外科病院一族の運命を描き、自伝的要素を色濃くたたえた大河小説の第二部。 2,112円 雲の都―第三部 城砦― 加賀乙彦 昭和44年、東大全共闘の砦であった安田講堂が陥落、悠太が勤めるI医科大学精神科にも遂に学生が乱入する。一方、隠されていた出生をめぐる一族の秘密が明らかになり、次の世代の波瀾の幕が開く……躍動する昭和史を背景に、東京山の手の外科病院一族の運命を描いた自伝的大河小説『永遠の都』に続くシリーズ、第三弾。 2,024円 雲の都―第四部 幸福の森― 加賀乙彦 悠太は幼いころから憧れていた千束と結婚、かねての念願だった作家としてのデビューを果たす。その一方で、父、母があいついで亡くなり、さらに桜子の息子武太郎が自らの出自に疑念を抱いて自殺する……。激動の七〇、八〇年代が描かれる自伝的大河小説シリーズ第四部。 2,024円 雲の都―第五部 鎮魂の海― 加賀乙彦 悠太もいまや六十代半ば、娘・夏香は父親が神戸で町工場を経営する青年と結婚し、息子の悠助もプロのピアニストを目指し始める。ところが、阪神大震災と地下鉄サリン事件が二人の運命を大きく変える……。昭和初期から世紀末までの波乱の時代と一族の歴史を描く著者のライフワークついに完結。 2,024円 雲の都―第一部 広場― 加賀乙彦 昭和27年、一代で三田に外科病院を築いた祖父時田利平はすでに亡く、一族の長老、政治家の風間振一郎も急死した。東大の医学生悠太はセツルメントに関わっている、後に“血のメーデー”と呼ばれるデモに参加して負傷、妹央子はヴァイオリンの才能を認められパリに滞在している。占領が解かれ、混乱しつつ復興する東京を舞台に、『永遠の都』の外科病院一族の戦後を描く。 1,760円 フランドルの冬(上)(新潮文庫) 加賀乙彦 フランドル地方の精神病院に勤務する日本人留学生コバヤシは、無期懲役のごとき現実世界から脱出しようと蠢きもがく異国人たちと接触するうち、徐々に精神科医としての自己と患者との境界が消え去り、正気と狂気の間をさまように至る――。芸術選奨新人賞を受賞した人間の根元を抉る重厚な心理長編。 440円 フランドルの冬(下)(新潮文庫) 加賀乙彦 美貌の若い看護婦と恋におち、熱狂の日々を送るコバヤシ。彼はやがて人間存在の孤独に耐えきれず、おしつぶされるように狂気の淵におちこんでゆく。医長ドロマールの言葉通り、この世は巨大な牢獄で、私達すべては無期徒刑囚なのか、自殺や帰国が解決になるのか。精神科医である著者が描く現代人の深淵。 440円 12 TOP 電子書籍(本・小説) 加賀乙彦 2ページ目