9割の会社が人事評価制度で失敗する理由―――ストーリー形式で学ぶ失敗の本質と正しい取り組み方
森中謙介
ジュンク堂書店京都店 総合ランキング第1位獲得 ※2019年9月1日発表
著者が手がけた数社の実例をもとに、
本書は中小企業での制度設計・運用の実際をドラマ形式で紹介。
ストーリーのなかで経営者、人事担当者に、中小企業が人事制度で失敗する背景と
具体的な理由(本書では主に5つの理由)を示し、どうすれば適切な制度の導入と運用ができるかを示す。
「はじめに」より
●人事評価制度とは経営者の心を映す鏡のようなもの
中小企業においても、生産性向上、社員の意識改革、採用力強化・離職率低下といった
「人事課題」の解決策として、人事評価制度の導入への関心は高まっているようです。
ところが、コンサルタントとして日々相談に乗らせていただいていると、
中小企業経営者の方の制度に対する理解や動機には温度差を感じることが多くあります。
人事評価制度を導入しさえすれば、社員がもっとよく働くのではないか。
制度があれば人事労務管理がもっと簡単なのではないか。
さらに制度を武器に、部下に自分の言うことをもっと聞かせられるのではないか……。
残念ながら、
そうした短絡的な考えで形だけ人事評価制度を導入したところで、
うまく機能することはありません。
そればかりか、制度の導入をきっかけにして、まるでマグマのように
水面下に隠れていた企業の問題点が顕在化してしまうケースさえあります。
それを会社を変える好機ととらえて、
積極的に活用できる経営者の方なら導入する甲斐もあるでしょう。
しかし、そんな残念な企業の経営者に限って、目の前の問題と向き合うこともできず、
従業員や制度そのものに責任を転嫁して、時には逃げてしまったりします。
人事評価制度とは結局のところ経営者の心を映す鏡のようなものであり、
その心のありようを伺わなければ、
ご依頼通りの制度を構築することはできないと考えるからです。
人事評価制度の導入によって社員が生き生きと働くより良い組織へと生まれ変わり、
業績も伸びた例もまた、たくさん見てきました。
正しく設計された制度を正しく運用できれば、
それはまるで魔法のように会社全体を変えるのです。
■目次
ケース1 猛獣の逆襲 人事評価制度は人を支配する鞭にはならない
~企業統治に自信のない経営者が権力維持ツールとして導入し大失敗
ケース2 溺れる社長がつかんだ間違った藁 人事評価制度の設計はプロのノウハウ
ケース3「人間力」を物差しに 社員を育てて会社を伸ばすための制度導入
ケース4 続ける覚悟が変えた風土 高邁な理念を掲げた若社長に襲いかかったのは身内
ケース5 人を育て組織を変えたプロ経営者の仕事 人事制度設計とは仕事の無駄の見直し
ケース6 個人プレーからチームプレーへ 人事評価制度が変えた企業の闘い方
まとめ自社の理想像を人事評価制度で実現する
■著者 森中謙介 1,650円