創立十周年記念 赤穂浪士(1961年)
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五代将軍綱吉の治下、庶民には江戸市中に高札が立てられる中、第七条の‘賄賂は厳禁のこと’の項が墨で消される事件が相次いで起こり、町奉行松平伊豆守を激怒させた。賄賂政治に狂奔する腐敗役人や悪徳商人への一矢報いる高札汚しの犯人はニヒルな浪人堀田隼人の仕業。さて、播州赤穂五万石の当主浅野内匠頭長矩は、勅使、饗応役を命じらるが、作法指南役である強欲な吉良上野介は、潔癖な内匠頭が賄賂を寄越さなかったため、意地の悪い仕打ちに出た。隠忍自重を誓う内匠頭ではあったが、勅使登城の当日、度重なる屈辱に耐えかね、松の廊下で上野介への刃傷沙汰に及ぶ。内匠頭は田村右京太夫邸に身柄を預けられ、即日切腹を命じられる。桜花舞い散る中、内匠頭はその短い生涯を閉じる。この悲報は直ちに赤穂へと飛び、藩論が紛糾する中、遂に殉死と決まる。残った者の総数はわずか六十余名。一方、内匠頭切腹、上野介お構いなしという片手落ちの幕府の処断を知り、一人心痛するのは、上野介の長子綱憲を当主とする上杉家家老の千坂兵部であった。兵部は大石内蔵助とかつて山鹿素行門下の双璧と謳われ、無二の親友でもあった。兵部は妹の仙に赤穂の内蔵助らの動静を探らせ、これに堀田隼人らも加わる。さて、赤穂城受け取りの任にあたった脇坂淡路守は、内蔵助と面談し内匠頭の最後の言葉を伝え、奮起を促す。そんな内蔵助は、殉死を誓った同志に仇討ちの意志を打ち明け、城を明け渡す。内蔵助は、長男松之丞と共に赤穂城に別れを告げ、赤穂街道をゆく道すがら、上杉家差し回しの刺客に襲われるが、その危機を救ったのは意外にも堀田隼人であった。というのは、隼人は内蔵助の従兄大石無人の子で、堀田家の養子となり、剛直な養父が賄賂をよしとせず、御家改易の後切腹したという過去があった。さて、京都山科に居を構えた内蔵助は、連日祇園一力で遊蕩の日々を送り、挙げ句には、妻子を離別し、遊女を身請けするなど放蕩の限りを尽くす。だが、兵部だけは内蔵助の心の内を知り、苦悩する。遂に意を決した内蔵助は、行動を秘すため、九条家諸太夫立花左近と名を偽り、東下りの途上、三島の宿で本当の左近と遭遇するが、左近の情ある計らいで事なきを得、また思わぬ人兵部から、松之丞の元服名を手渡され、変わらぬ友情に泣く。江戸で機会を待つ大石らは、機熟すと見て、討入りを決意する。その夜、内蔵助を訪ねた隼人は、義に勇む浪士たちの姿を見て、心中何事か期するものがあった。元禄十五(1703)年十二月十四日、夜来の大雪を蹴立て、本所松坂町吉良邸に討入った内蔵助ら四十七士は、見事怨敵上野介の首級を得る。本懐を遂げて引き揚げる赤穂浪士たちを見送る人々の中に、兵部の姿があった。さらに、その傍には、内匠頭を止め立てし、立身出世した梶川与惣兵衛を斬り、自らも仆れた隼人の面影を胸に抱き、ひっそりと佇む仙の姿があった…。
- ジャンル
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制作国
日本
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制作年
1970年以前
- シリーズ
- キャスト
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スタッフ
原作 : 大沸次郎 企画 : 坪井与、辻野公晴、玉木潤一郎、坂巻辰男、中村有隣 脚本 : 小国英雄 撮影 : 川崎新太郎 音楽 : 富永三郎 監督 : 松田定次