バラエティ番組化する人々
榎本博明 702円
あらすじ
そのキャラのままでいいの?お約束のやり取りから脱し、自分らしさを獲得する方法とは?
今や、バラエティ番組隆盛の時代である。
芸人のやり取りに爆笑し、難しいことは考えずに、楽しめるからだ。
「キレキャラ」「ボケキャラ」「Mキャラ」…など、 さまざまなタイプの芸人が登場し、
そのキャラに則ったお笑いを展開する。 そしてそこには笑いだけではなく、「お約束通り」という安心感もある。
お笑い好きの方々にはすでに周知の通りだが、
ひとつの番組に同じキャラは存在しない。 キャラがかぶっていると、MC(司会者)も芸人をイジりにくいのだろう。
このような「バラエティ番組の構造」が、
いま、まさに若者たちの間でも展開している。
それぞれがキャラをもち、それぞれがグループ内での会話を盛り上げようと、
自分のキャラをまっとうしている。
そこには、「次に何を話そう…」「どう盛り上げよう」「何を話しかけよう」など、
相手に気を遣わなくてもいいという気楽さがある。
人間関係をラクにするのが、キャラなのだ。
けれども、そのキャラに縛られる人たちもいる。
「私はそんなキャラじゃない! 」
「こんなキャラは自分じゃない」
そう感じる根底には何があるのか。
本書はそれこそが「自分らしさ」の発見への1歩であることを紹介している。
キャラは、無難にその場をやり過ごすために必要である一方で、
借り物の個性でもあるため、息苦しさを感じるのだ。
「キャラ」と「自分らしさ」をめぐる心の問題を心理学者が徹底分析!
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