血斗

01:33:32
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330円 ここは三州の滑川町ーー この土地に古くから勢力をはる福井吉蔵の福吉一家は、近郊に新たにのしてきた山阿辰吉の山辰一家に喧嘩をしかけられた。数の上では絶対優勢をほこる山辰に苦慮した福吉は、いまは堅気になり舟大工の清二郎に助太力してくれるよう、乾分の弥吉をさし向けた。が、それを知った山辰は、ならず者の四人の息子虎太、勝次、権、勘吉を使って、弥吉をなぶり殺しにしてしまった。 小田島老人の下で働らく清二郎は、あとでそれを知って烈火の如く怒り、自ら福吉の応援にかけつけた。そうした動きをニャニャしながら眺めていた精かんな男――流れ者の満洲常も清二郎の意気にほれて、勝手に助ッ人を買って出た。 ひそかに山辰一家の庭にしのびこんだ清二郎は、いきなり山辰のふところにとびこむと、まわりの乾分をメチャメチャに斬りまくった。この奇襲にたじろいだ山辰たちは、清二郎の背後にかまえた営のピストルの早射ちにおどされ全く戦意を失なっ てしまった。ついに、清二郎は山辰に一旦町を引きあげさせその上末ッ子の勘吉を人質においてゆくことをシブシブ承諾せ、意気ようようと引きあげた。 その夜、勘吉一家は勝ち祝の大騒ぎ。しかし、福吉が別の家に招いた清二郎と常にお礼を言っている間に、今度は山辰たちがいきなり襲って、乾分らを皆殺しにし、帰ってきた福吉を斬った。常はそれを知っていたが、どうすること出来なかった。と、常の知らせでかけつけた清二郎は勘吉を斬ったのの、虎太になぶりものにされた福吉の一人娘昌江をどうして救い出せず、顔にひどい傷を負ってそのま姿を消した。 こうして、三年が流れたーー いまでは、すっかりこの町を支配した山辰と三人の息子は、 弱い者をいじめ、傍若無人にふるまっていた。と、そこへ類にすさまじい傷あとを残した清二郎が現われた。サッと殺気立つ山辰たちーーそのとき、はなやかなハヤシとときに、旅役者の一行がのりこんできた。荷物の上で音頭をとっているのは、何と常なのだ。清二郎はこのすきに姿を消してしまった。常は、女座長の坂東菊弥にほれられ番頭になりすましていたのだ。山辰はおどろいたが、常がもう堅気だと聞いて警戒心を解いた。この一座は、山辰が招いたものだった。 一方、清三郎は、昔なじみのたアやんから、これまでの事情を開いた。一度は結婚の約束までした昌江は、いまでは虎太の妾同様になって、淫売の飲み屋の女将になっていることや、山辰に仕事をすっかりうばわれた小田島老人は発狂して廃人同様になり、その娘の鈴は昌江の下で働かされている。清二郎の顔は怒りと苦悶でみるみるゆがんでいった。 芝居は連日大入満員だった。菊跡のあで姿は、山辰の心をとろけさせた。三男の権三はかねてから鈴を自分のものにしようとし、この夜飲み屋におしかけ、彼女をさらってゆこうとした。そこへやって来た清二郎が、鈴を救い、権三を半ごろしにやっつけた。清二郎は、たアじゃんにたのんで、鈴を町から逃してやった。三年ぶりで見つめ合う清二郎と昌江―汚れきった二人はもう昔のような純な心で向かい会えなかった。そうしたところへ、復籍に燃えた権三が乾分をつれてやってきた。清二郎は思わず昌江をかばって逃げようとしたが、彼女は権三に斬られニッコリ笑って死んでいった。清二郎は権三にうらみの一力を浴びせ仇をとったが、ついに乾分たちにつかまって、リンチを受け、木造船の高いマストに吊り下げられてしまった。明日山辰になぶり殺しにされるのだ。 山辰の奥座敷では、山辰の前に呼ばれた菊弥と勝手にくっつてきた常がいた。常は、清二郎がつかまったのを知ると、菊弥にじゃれつく山辰をピストルでおどして、縛りあげ木造船に急いだ。 常は猿のように、マストのロープをよじのぼり、飛び移って清二郎の縛り綱を切った。清二郎の怒りは爆発した。阿修羅の如く暴れまわり、虎太、勝次を血祭りにあげた。 もう、この土地から逃げ出すべく、菊弥の一座は用にのりこんで待っている。そこへたどりついた清二郎と鈴、常は消二郎と鈴を無理矢理一座の舟にのせると出発させた。山辰一家が追ってきた。常は一人河岸にのこると、ピストルを手に、ニヤリと不敵に笑うのだった。
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  • スタッフ
    企画 : 高木雅行 原作 : 池上金男 脚本 : 池上金男、舛田利雄 監督 : 舛田利雄 撮影 : 高村倉太郎 照明 : 熊谷秀夫 録音 : 福島信雅 美術 : 木村威夫 編集 : 井上親弥 助監督 : 小沢啓一 製作担当者 : 戸倉寿 スチール : 井本俊康
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