そうかもしれない

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550円 寡作の文筆家・高山治(桂春團治)とその妻・ヨシ子(雪村いづみ)は、質素だが平穏な暮らしを送っていた。子供はいないが、ヨシ子の姉の子・武が、たまに顔を出してはあれこれと世間話をして、早々に退散していく。その日は、突然おとずれた。散歩の途中、ヨシ子が買い物の品物を忘れたという。急いで店に向かう高山。だが、今日は誰もその品物を買ってはいないと言われる。いつも通る橋、いつも寄り道する公園の池。かがみ込んでヨシ子が純真にミズスマシを見つめている。高山はただ、妻と一緒に水面を見つめるしかなかった。久しぶりに訪ねて来た高山の担当編集者・時岡の前でも、ヨシ子の会話はどこかぎこちない。ゆっくりだが、病は確実に進行していた。日常生活でも目が離せなくなってきて、言動もおかしくなっている。自宅介護の限界がひっそりと近づいてきていた。慣れない介護に追われながら、深夜、執筆を続ける高山を、激痛が襲う。ガンの発症だった。医師は手術をすすめ、高山は妻を特別養護老人ホームにあずけ、自分は入院することを決意する。別々の生活が始まり、高山は手術を受けた。ヨシ子が久しぶりに高山を病院にたずねる日がやってきた。おしゃれをして、ケアワーカーの志田に連れられて病室にやってきたヨシ子は、夫にだけ分かる二人だけの言葉を口にする。やがて、別れの日がやってくる。誰もがヨシ子にそのことを告げる事ができない。だが、ヨシ子は微笑みを浮かべ、すべてを分かっているかのように皆に手をさしのべるのだった。
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  • スタッフ
    脚本・監督 : 保坂延彦 助監督 : 李潤午 原作 : 耕治人 製作総指揮 : 大平義之 製作 : 新田博邦 プロデューサー : 赤坂幸隆 撮影 : 倉本和人 照明 : 淡路俊之 美術 : 黒須康雄 メイク : 佳緒里・ナラ・ターナー 記録 : 高津省子 録音 : 星一郎 音楽 : みつとみ俊郎 編集 : 金子尚樹
(C)「そうかもしれない」製作委員会

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