救えない地方のペットたち

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あらすじ

水戸の動物病院に高度医療を導入し、リハビリ施設を設置。
年間約400件の手術で地元のペットの命を救う
アニマルドクター挑戦の軌跡――

愛するペットの命を守りたい飼い主必読の一冊!
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ペットの飼い主にとって、かわいい家族が苦しむ姿は見たくないものです。
病気になればなんとしてでも治してあげたいと思うのは当然のことです。
しかし、地方の動物病院と大都市の動物病院との間にある医療格差によって、
愛するペットの治療が満足にできないケースが頻繁に起きています。
著者は、東京の獣医学大学を卒業後、地元である水戸の動物病院に就職してから、
動物たちが満足な検査や治療を受けられずに命を落としてしまっているケースを多く見てきました。
東京の病院であれば完治できるのに、地方の病院では設備も医療技術も足りないために
治療できないという格差の現実を目の当たりにしたのです。
目の前で命が失われていくことに我慢できなくなった著者は、
さらに高度な獣医療を学ぶため母校の大学病院での研修を決意。
約3年にわたる勤務の間、地元の動物たちの命を救う場をつくりたいという一心で
最新の治療法や手技を学び、経験を積んでいきました。
そして2011年に、念願がかなって水戸に動物病院を開業しました。
動物たちを大都市の病院へ転院させることなく自院ですべての治療を完結させるという目標のもと、
CT(コンピュータ断層撮影)や腹腔鏡などの高度な医療機器を導入し、
治療を行ってきました。間もなくМRI(核磁気共鳴画像法)も導入予定で、
開頭術・開心術・放射線治療など、一部の特殊な開頭手術以外はほとんどすべての治療が可能となります。
また、術後のペットができる限り元の生活に復帰できるようにリハビリテーション施設をつくり、
治療だけでなくペットと飼い主のQOL(生活の質)の向上まで、自院で完結できるようにしています。
本書では、大都市と地方の間に厳然として存在する獣医療格差に挑んできた
アニマルドクターの軌跡をまとめています。
地方に住んでいる飼い主も命を諦めない選択ができることを知るきっかけとなる一冊です。